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看護師の今後の需要・供給について

最近看護師不足についての話題があると思いますが、将来はどうでしょう?

結論から言えば、厚生省では2025年の推計では看護師不足となっているとしています。 看護師不足が続く理由として、参考までに「■高齢化のデータと需要増の根拠」を記載しました。

又、最近(2015年現在)の看護師の需要動きとして、政策の改定により、2006年から始まった看護師争奪戦とも言われる状況は落ち着く流れとなっていくとの情報に触れ、
最後に、厚生省では2025年の推計では看護師不足との事ですが、看護師の働き方は一部変わる(2025年には”病院に勤務する”看護師は14万人余ってしまい、 その分訪問看護の需要が増える)との情報を紹介します。病院に勤務する看護師が14万人余る理由は、病院が減るわけではなく、2014年に実施された政策の改定が関係しています。
それぞれについて、詳細を記載します。
尚、ここで掲載している情報については、偏りなどもあるかもしれませんので、参考までとしてください。

■2025年 厚生労働省の看護師需要予測

厚生労働省は2025年の看護師の需要は183万8千人~199万7千人としています。 供給は179万8千人と推計しており、需要に供給が追いついていません。2025年において看護師不足と推計しています。
(情報元:第七次看護職員需給見通しに関する検討会報告書)


看護師不足が続く理由として、参考までに高齢化のデータを見てみます。


■高齢化のデータと需要増の根拠
2010年から20年間の人口構造変化(高齢化)のデータから看護師の需要についてみてみたいと思います。

データを以下にグラフ化しました。2010年・2020年・2030年での年齢別の人口となります。
グラフの右、年齢「80~」のところを見ると、大きく右肩上がりとなっています。高齢化です。

年齢「80~」は、 2010年の820万人から2030年に1310万人と490万人(+60%)増えています。 今後20年の人口でみても傷病となりやすい80歳以上の高齢者を支える看護師がさらに必要となってくる事が予測されます。

80歳以上が傷病となりやすいのは、日常生活の中から直感でわかると思いますが、数値としての根拠も以下に引用します。
以下のグラフは、年齢別の病気や怪我をしていると自覚している人の割合(有訴者)をあらわしています。(入院者を除く)
横軸が年齢で、縦軸が1000人の人口に対して何人が該当するか(割合)をあらわしています。 グラフ左の65~69才の男性では377.8となっています。これは1000人のうち377.8人ですから、約37%という事になります。 65~69才の男性の37%は、病気や怪我で困っているという事です。


(引用:内閣府 平成26年版高齢者社会白書(概要版)より)


男性だけでグラフの左から数値を見ていくと、377.8→433.7→481.6...と年齢が高くなるにつれて、病気や怪我を自覚している人の割合も増えています。 85才以上では510です。つまり、85歳以上では51%の人が病気や怪我を自覚しています。このように数値としても、高齢者が傷病となりやすい事がうかがえます。


次に、直近(2015年現在)の動きとして、政策の改定により、これまでのような看護師争奪戦といえるような需要は落ち着いていくという情報を紹介します。


■看護師不足に拍車をかけた”政策”は、もうおしまい

結論から言えば、看護師争奪戦とまで言われている状況は落ち着くといった情報があります。 参考までに、紹介しておきます。

2006年から2014年までの間、看護師争奪戦の引き金となる政策が続いていました。 その政策は、「7対1病床」の政策です。内容を平たくいいますと、病院に対して国が言うには・・ 「入院患者の人数に対して看護師の人数の割合を高めたら、入院費、沢山とっていいよ。」という政策です。 国がそう言ってから、病院の看護師の争奪戦が始まりました。国としては、看護師が増えれば、看護師一人当たりの患者数が少なくなる事で手厚く患者を看る事ができ、 その結果、入院日数が減って医療費が少なくなると思っていたのでしょうか・・・詳細は引用をどうぞ。

引用---------------
国は06年度、高度な医療と集中看護で入院日数を縮め医療費を抑える狙いで、7人の入院患者に対し看護師1人を配置する「7対1病床」の区分を新設。入院基本料も大幅に増額し、 それまでもっとも高かった「10対1病床」の1・2倍にした。 その結果、増収をあて込んだ多くの病院が7対1病床に飛びついて病院間で看護師の争奪戦が起き、さらなる看護師不足を招いた。 7対1病床の増加は、そのまま医療費にも跳ね返った。12年度の医療費の総額は過去最高の38兆4千億円。7対1病床に関する政策は明らかな失策だった。 すると厚労省は手のひらを返し、今年4月の診療報酬改定で、7対1病床を約9万床に当たる25%減らす方針に転じたのだ。
--------------------(引用元:アエラ記事 page2

引用---------------
(略) その7対1等の特定除外制度が今年10月1日から見直されてしまいます。 7対1入院基本料を取るための看護師争奪戦は一息つきそうですが、
--------------------(引用元:長隆のホームページ




このとおり、そうとうラフに平たく言いますと、国:「7対1病床。。。こんなに増えられても困るんだよね。減らさせてね。」と言ったので、 2025年に病院で看護師が14万人余ってしまうという情報に関連してきます。

では、最後に、病院に勤務する看護師は2025年に余り、訪問看護師が増えるという情報を見ていきます。一部、看護師の働き方が変わる可能性があるようです。

■「11年後に14万人 だぶつきの衝撃」について

既に、上記の「引用元:アエラ記事 page2」にて読まれた方もいるかもしれませんが、 「病院看護師バブルがやってくる 11年後に14万人 だぶつきの衝撃」という記事があります。

これを見た瞬間、「看護師が14万人余る?→リストラ」と管理人は思いました。 実際は、「”病院で”勤務する」看護師が余り、他の仕事(訪問看護師)の需要が同じ分ほど増加するとの情報があります。 11年後とは2014年の記事ですので、2025年の事です。

引用---------------
病院で勤務する看護師14万人が余る──。  そんなセンセーショナルな試算を、医療コンサルティングの「グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン」(東京都港区)が行った。  同社の渡辺幸子社長は言う。 「国が描く改革のシナリオをベースに試算した結果です」 「改革のシナリオ」というのが、4月の診療報酬改定だ。  診療報酬とは、医療機関や薬局が健康保険組合や患者から受け取る代金のこと。原則として2年に1度、改定が行われるが、4月の改定では看護職員数の配置基準も変わった。
--------------------(引用元:アエラ記事 page1


「”病院で”勤務する」看護師が余ると言っています。では、「病院で勤務しない看護師」とは? 訪問看護師のことですね。以下、ダイヤモンドのサイトにて訪問看護師の数値の推計値について記載がありました。

引用---------------
特に影響が大きいのは病院で勤務する看護師だ。国が描く改革シナリオを基に25年に必要な病院勤務看護師数を試算すると、 10年に比べて約14万人減少する。逆に現在3万人が従事する訪問看護師は、17万人の規模が必要になる。
--------------------(引用元:ダイヤモンド

引用元のタイトルがいかにも、リストラで職がなくなるといった印象を受けたのですが、よくみると 訪問看護の需要が増える。つまり、他の仕事もあるという事ですね。病院勤務の看護師が14万人減の数字と同じく14万人増えるとしています。


※当サイトに書いてあることは、管理人が独自に調べた情報や推測を掲載しているにすぎません。 この情報で損害を受けても責任を負いかねます。情報に偏りがあるなどの可能性も考え、他の情報にも触れ、ご自身で判断を。 特に、需要や供給はその時々の政策や景気などにより流動的に変化するものと思います。